Kyon {Silence Of Monochrome}

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2018/03/06

ツマグロヒョウモン~保護したツマさんたち(よっちゃんとミコちゃん)40~ オスとメスの飛翔力の違い

3月6日
昨日は久々の大雨だったが、今日はカラッと晴れた。

よっちゃんは95日目となった。朝と昼のハチミツ水も口吻と身体を動かしながらおいしそうに飲んでくれている。

かたや、姫君のようなミコちゃんは朝は飲んでくれたが、昼は{今はいらないわ}というそぶりで出した口吻も即座にしまってしまった。



口吻をキュッとしまい、触覚も常にピンと立っていて、なんとも高貴な佇まいである。
ミコちゃんは見惚れてしまうほど、本当に美しい。
一方で、よっちゃんは口吻はでっぱなし、触覚はやや水平に傾いている…が、三カ月も一緒に過ごしているよっちゃんは、やはり違う美しさがあるというか、言い表せないような感情が湧き出てくる。
よっちゃんには朝、いつも{よっちゃん、今日もきれいだよ}と声をかけている。


さて、二頭を日光浴させていて、気づいたことがある。

よっちゃんは翅が小さくなっても、けっこう激しいはばたきをするが、ミコちゃんは花びらが舞うような飛び方をする。それは曇りでも晴れでも一緒だった。
ふわりふわりと、よっちゃんとは明らかに違う飛翔力。

ツマグロヒョウモンのことをもっと勉強しようと思い購入した本『琉球の蝶~ツマグロヒョウモンの北進と擬態の謎にせまる~』によれば、メスはオスよりもゆっくりと飛ぶらしい。「飛翔力の退化」とも書いてあった。
オスはメスを求めてかなり広範囲を飛ぶから飛翔力を求められるが、メスは待っていればオスが来るからということだろうか。逆に卵を産み付けるときなど、庭先などのスミレやパンジーのそばででホバリングしてる姿をよく見かけるかもしれない。

なるほど、だから一見優雅に待っているような飛び方をするのか。
ほんとうに穏やかでやわらかな飛び方なので、これならネットの中で翅が痛むことも少ないかもしれないと思った。

意外といえば意外だった。これまでうちではオスメス半々で羽化したが、メスの成虫は「じゃあね、さいなら~っ!」と言わんばかりにさっさと飛び立ってしまった。なので、メスの方が飛翔力が高いようなイメージを持っていた。
でも両者の羽ばたき加減をこの目で見る限り、オスのよっちゃんのほうが明らかに強い気がする。


ツマたちに春を感じてもらおうと、レモンイエローの鮮やかな菜の花や、地上の星々のようなハナニラの花、不思議な形のホトケノザなどを摘んできて、よっちゃんやミコちゃんのネットの中に入れてみた。

街を彩る花屋の花も素敵だけれど、スミレを筆頭に路上に咲いている小さな花々はなんともかわいらしく、趣があるので好きだ。そして花瓶に生けていても丈夫である。

その他にも青い小花がかわいいイヌフグリや、白い小さな花をたくさんつけるハコベなど、この時期、路上を注意深く見ればあちこちで春が萌え出ている。

スマホ片手に、自分の世界に閉じこもってうつむき歩くには、やはりこの世界はもったいない。