Kyon {Silence Of Monochrome}

Kyon {Silence Of Monochrome}
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2018/03/30

ツマグロヒョウモン~保護したツマさんたち(ミコちゃん)47~ 片方のパルピも… 

3月30日

このところ、連日気温25℃になりそうな日々が続いていた。
太陽もさんさんと照り注ぎ、植物がキラキラしている。
そのなかで、羽化したてのモンシロチョウやキチョウの舞が一段と美しく見えた。

一頭のモンシロチョウとすれ違ったが、6月にみた個体より一回り小さく感じた。
アゲハチョウもそうだが、蛹で越冬して羽化した蝶は初夏の個体より小さいと聞いたことがある。
しかし、何カ月も寒さのなか耐えしのいだ個体だけに、さらに美しく感じる。

ミコちゃんは今日で羽化してから29日目をむかえた。
今日は春らしい陽気ということで20℃以下と少し涼しく、ミコちゃんも動きがゆっくりだ。
今日様子を見ると、残っていた片方のパルピも取れてしまい、よっちゃんと同じ丸顔に…。

外で活動する蝶の寿命はだいたい1~2週間だという。そのなかで眼を掃除するワイパーのような役目のパルピの耐久性は、その間役に立てばよいわけで弱いうことだろうか。要するに、1カ月以上存在することを想定していない弱さ…?
よっちゃんもそうだったが、パルピが取れてからも2カ月以上生きていたので、無くても支障はないのだろう。
しかし、このところ暖かい日々が続いていたので、日が当たらなくてもミコちゃんはネットの中をうろちょろと動いていることが多かった。体力を消耗していないか、心配だ。

ミコちゃんは時折、ネットの側面で休みながら、上翅と下翅をこすり合わせるようにして動かしている。シジミチョウがよくやるしぐさに似ている。これはよっちゃんは見せなかったしぐさだ。

少しでも春を感じてほしいと思い、今日はタンポポをすこし摘んできて、ネットの中にいれてみた。しかし、これまでもそうだが、ミコちゃんはこうした植物に止まろうとはしない。ネットの上の方でじっとしていることが多い。
よっちゃんは植物によくよじ登っていたのだけど…。
これも個性ということだろうか。

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午後、川沿いを歩き、老木の桜の下を通った。
けっして派手ではないが、今年もしっかりと咲いている。

よっちゃんのことをふと思った。
もうすぐで桜が見れたかもしれなかった、よっちゃん。
虹の彼方で、飛び回りながら、桜の花を見ているだろうか。

冬の間は、よっちゃんや、羽化不全で誕生したこたちに、慰められ、癒されてきた。
どんな姿でも力強く生きている蝶たちに心を打たれた。
本当に、なぜ、このような美しい生き物がいるんだろうと感じた。
その反面、環境破壊や嘘や偽り、非道の限りを尽くすニンゲンの薄汚さを感じ、
自分もそうしたニンゲンのひとりなのだと思うと、悲しみと嫌悪と、憤りと、
複雑な思いになる。













2018/03/26

ツマグロヒョウモン~保護したツマさんたち(ミコちゃん)46~ 春の訪れ

3月26日

昨日に引き続き、少し歩くとうっすら汗をかくほどあたたかい。
桜も満開だ。

個人的にこの一週間ちょっと憂鬱で、今日は午前から大変な1日だった。

気晴らしに、昨日は桜を見ながら川沿いを散歩していると、群生する菜の花から一頭の白い蝶が飛び出した。

モンシロチョウだ。
今年私が外で見る初の蝶だった。

モンシロチョウは蛹で越冬する蝶であるから、昨年の冬から約5カ月、待ちに待った春の訪れだったろう。
よくぞ羽化してきたと、私も嬉しくなった。


さて、我が家で羽化したツマグロヒョウモンのミコちゃんも、このところ気温があたたかいのでいつも以上に元気な様子だ。
いささか元気すぎて、ちょっと戸惑う。
このまま気温が20度を下回らず、そしてミコちゃんのお仲間がいたら、外に出すことも考えるのだけれど…。
かといって、文字通りの「箱入り娘」がどこまで外で通用するのか不安に思ったり、時々葛藤している。

ミコちゃんに春を感じてほしくて、菜の花を摘んで、ネットの中に入れてみた。

ふとミコちゃんを見ると…、、
今日、はしゃぎすぎてしまったのか、ミコちゃんも片方のパルピが取れてしまっていた!
翅はまだまだきれいだが、ちょっとショックだった。
やがてかつてのよっちゃんのように、丸顔になってしまうのだろうか。
あまり本人は気にしていないと思うが。。

2018/03/24

4月17日から南青山「Art&Spaceここから」さんにて開催される細密画グループ展に参加します。


4月17日(Tue)~4月22日(Sun)12:00~20:00 ※最終日17:00まで
南青山「Art & Space ここから」さんで開催される細密画14人展 Vol.2
「細密な、関係性。」に参加します。

☆期間中、ギャラリーおよびネットショップにて、Kyonの画集(A4サイズ・ハードカバー)を特別価格2,000円にて販売します。

またポストカードも新作を含め数点販売する予定です。
よろしければぜひお手に取ってご覧ください。


詳細・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「細 密 な、 関 係 性。」

-細密画 14人展-  Vol. 2


2018/4/17(tue) - 4/22(sun)


12:00 - 20:00

最終日12:00-17:00


観るものを惹きつけて離さない細密表現。

細密であるだけではなく、ファンタジック、、空想科学、風景や人物など様々な世界観の14人の作家による見応えある細密空間。繊細に、ダイナミックに構築された作品群をお楽しみ下さい。



参加作家
Kentaro Saito / Kyon / 麦粒 / 宮崎史子 / TARO / 斉藤(真) / にかきち
cova /  kamimon / n.ishii / Kenfrog / MASAKI / Kay Orimo / icom



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4月22日追記
無事にグループ展を終えることができました。
今回も素敵な作品、作家様に出会うことができ有意義な時間をいただきました。

私の作品をご覧いただいた皆様、本当にありがとうございました!

Kyon

ツマグロヒョウモン~保護したツマさんたち(ミコちゃん)45~ ミコちゃんの不思議な行動

3月24日

今日は天気も良く、絶好のお花見日和。近所の桜も次々と開花している。
ベランダのビオラも気持ちよさそうだ。

ミコちゃんも春のやわらかい日ざしを浴びると、ゆっくりと翅を広げネットの中を動いていた。
身体が温まって、それからふわふわと飛ぶのだが、時々逆さに落ちてしまったりする時があり、みているとハラハラする。
そして今日、ミコちゃんは不思議な行動をみせた。

2回目のごはん、ハチミツ水を近づけるとすんなり乗ってきたミコちゃん。ハチミツ水はミコちゃんから爪楊枝を何本か束にしてそこにティッシュを巻き付けたものに変えた。
しばらく吸っていたが、そのうち楊子の部分に口吻を動かしながら押し付けはじめた。楊子の部分には蜜は染み込んでいない。5分くらいずっと続けているので、その部分にハチミツを含ませたティッシュを置いてみたがミコちゃんは素通り。そのまま口吻をせわしく動かしながら、翅をふわふわ動かし、ネットの側面に移動してしまった。
なんだったのだろうか?

ツマグロヒョウモンも一頭一頭、個性がある。
よっちゃんとミコちゃんだけ見ていても、明らかに違う。
これは空を飛んでいる蝶の数だけ、個性があるということだろう。


先日、久々に川沿いを歩いてみた。
12月に抜かれたスミレは、コンクリートで埋められた部分以外、見事に復活していた。凛とした形のよいスミレ特有の葉があちこちで確認でき、美しい花を咲かせているものもあった。

吉祥寺に行くいつものサイクリングロードでも、そこかしこにスミレのかわいらしい花を見つけた。
この時期、桜の花はいわずもがなだが、私は道端でひっそりと咲く、この可憐で華奢な、しかし頑丈な植物の花にこそ、心がときめく。

ヒメスミレの花。淡いピンクでかわいらしい。
スミレやビオラの花は、どこか蝶が羽ばたいているようにも見え、好きだ。




2018/03/22

ツマグロヒョウモン~保護したツマさんたち(ミコちゃん)44~

3月22日
昨日は春とは思えないほどの大雪だった。
こういう日はもう味わえないだろうと、雪のなか散歩に行った。

よっちゃんが亡くなって、喪失感がある。
なかなか愛嬌のあるこだったし、一緒に過ごした3カ月というのは、それだけ重い。


ミコちゃんは羽化して21日経った。あまり激しく飛ぶことがないので、今も美しい姿を保っている。
ほんのり黄味がかったピンクにヒョウモン蝶特有の鮮やかなオレンジを黒い模様が引き締めている。
触覚はほぼまっすぐにピンと立っている。

よっちゃんはオスだったが、ミコちゃんを見ていると、オスとメスの違いを感じるときがある。
飛翔力もそうだが、ミコちゃんはずっと翅を広げたままずっとネットの側面にくっついているということはない。
また、シジミチョウがよくやるように、上下の翅をこすり合わせるようなしぐさをする。ふわっふわっと花びらが開くように見える。
パルピを動かしながら、顔を洗っている姿も何度か見た。

ミコちゃんは食事を取ったり取らなかったり。ここらへんが気まぐれなのか、気温のせいなのかちょっとわからない。

やはりツマグロヒョウモンのメスはとびきり美しいと思う。

桜の開花も始まり、ベランダのビオラも次々と咲きだしている。
ミコちゃんには、よっちゃんのぶんまで、桜の香りをかいでもらいたい。


2018/03/15

ツマグロヒョウモン~保護したツマさんたち(よっちゃんとミコちゃん)43~ よっちゃん、もうすぐ桜が咲くよ

3月15日

昨日も5月初旬の気温。お日さまが心地よかった。
昨日は私にとって特別な日であり、また待っていた良い知らせも届いた。
よっちゃんは珍しく、2回目の食事を取らなかった。
日の光に吸い寄せられてネットの中を上へ上へ歩いていた。
ひっくり返ると何度か羽ばたき元に戻ったり、元気そうであったが、ちょっと様子が違うと感じていた。


今日は久しぶりに早起きをした。
よっちゃんのネットを見ると、よっちゃんが珍しく翅を広げていた。
気温が暖かかったのか?でも暖かい日は他にもあったがこのようなことはなかった。
おかしいな。


よっちゃんは昨日の夜か、今日の早朝に、旅立った。
産まれて103日目だった。


翅を閉じているのも力がいるのだろう。
これまで亡くなった蝶たちはみな、翅を広げた状態だった。

よっちゃんは日中よくそうしているように翅を広げ、ネットの側面につかまったままだった。
いつもかわいく動かしていた口吻は先の方でくるっとまとめられていた。
眼はまだ輝きを持っていた。


約三カ月、よっちゃんと過ごした。よっちゃんの過ごす1日1日は私たちのそれとは比べられない次元にあると思っている。

相当、こみあげてくるものがあった。
私にとって大切な日のあとに亡くなったよっちゃん。
よっちゃんにもその日を祝ってもらったような気がした。


よっちゃん、おつかれさま、ありがとう、と声をかけた。
うちで咲いているいちばんきれいなビオラの花をネットの中に入れた。

よっちゃん、もうすぐ桜が咲く。一緒に見たかったよ。それが唯一の心残りだった。



ミコちゃんは今日も優雅に特大ネットの中を移動している。
食事も早い。ちゃんと吸っているだろうか?
よっちゃんのようにせわしく動くこともなく触覚をピシッと立てながら、じっとハチミツ綿棒に口吻をあて、1,2分で食事を終える。


ミコちゃん、一緒に桜の香りを嗅ごう。
よっちゃんのぶんまで。




2018/03/12

ツマグロヒョウモン~保護したツマさんたち(よっちゃんとミコちゃん)42~ ビオラも次々と開花していく

3月12日

今日も穏やかに晴れ、外のビオラたちが気持ち良さそうだ。
先月まで葉っぱだけだったビオラもどんどん開花していく。その様子を見るのが楽しい。

よっちゃんは日光浴中、また勢いよく羽ばたいて右の翅が上下入れ替わってしまった。
居心地悪そうに何度も羽ばたくがいっこうに直らないので、食事中、ササっと直してあげた。

よっちゃんはハチミツ水を吸ったあとしばらく綿棒にくっついたままじっとしているのだが、今日はずっとおしりを上下にふっていた。その様子が面白くてしばらく見入ってしまった。このこも頑張って生きてるんだなぁ・・・としみじみ思いながら…。

ミコちゃんは相変わらずの早食い。若いから吸うのが早いのだろうか。
時折ハタハタっと羽ばたきながら、ゆっくりとネットの中を移動している。
今日はパルピを左右に動かしながら、前脚で顔を洗っていた。
10日経ったがいまのところ、翅が欠けた様子はない。


とても陽気がいいので、午後すこし近所を歩くと、先日見つけたわずかに残っていたスミレが紫色のかわいい花を咲かせていたのに、もうコンクリートで埋められてしまっていた。その上を歩くとまだ埋めた直後か感触がペタペタとし、鼻をつく臭いがする。
もう、情緒もなにもないなと辟易した。
幸い、まだスミレは、小さな株だがあちこちに残っており、順調に育っているし、抜かれまくった道路からも新芽が出ていた。

ホームセンターでは形の良いスミレが高値で販売されている一方で(この中にはノジスミレもある)、路上のノジスミレやタチツボスミレは雑草扱いで排除されるという…。
なんだか頓珍漢な感じがしてしまうのは、私だけだろうか。。

2018/03/11

ツマグロヒョウモン~保護したツマさんたち(よっちゃんとミコちゃん)41~ よっちゃん100日目!

3月11日

今日はまっていたお日様が昼頃から顔を覗かせてくれた。

よっちゃんは産まれて100日目をむかえた。
毎日二回の蜜もよく吸うし、こういう天気の良い日はずっと翅を広げている。
蝶のオスには一定の場所で翅を広げるという占有行動があるというが、よっちゃんもそのつもりなのだろうか?
とすると、ちょっとほほえましい。

ミコちゃんは10日目となった。まだまだ瑞々しい。
ただ、蜜を吸ったり吸わなかったり…。今日も2回目の蜜はそそくさと吸うのをやめてしまった。

二頭をならべるとやはり飛び方、飛ぶ力強さが違うと感じる。
よっちゃんは小さな羽でもバタバタっと音が聞こえるぐらいだが、ミコちゃんはふわりふわりと舞うように飛ぶ。

こんな弱い飛翔力でもメスの個体がそんなに減らない理由に、ツマグロヒョウモン自体が鳥にとってまずいのではないかという仮説があるという。毒の無いものが毒の有るものに擬態する「ベイツ型擬態」ではなく(ツマグロヒョウモンは毒蝶のカバマダラに擬態しているという説がある)、毒のあるものが同じく毒のあるものに擬態する(例:ハチ類)「ミューラー型擬態」ということらしいが…。


明日からはもっと春の陽気になるらしい。
先日の夕方、外で初めて蝶か蛾が飛んでいるのをみかけたが、遠目だったのでそれがなんなのかはわからなかった。
おなじみのモンシロチョウやシジミチョウ、アゲハチョウが姿を現すのもまだまだ先か。
桜の開花とともに、彼らと再び出会う日々が待ち遠しい。

2018/03/06

ツマグロヒョウモン~保護したツマさんたち(よっちゃんとミコちゃん)40~ オスとメスの飛翔力の違い

3月6日
昨日は久々の大雨だったが、今日はカラッと晴れた。

よっちゃんは95日目となった。朝と昼のハチミツ水も口吻と身体を動かしながらおいしそうに飲んでくれている。

かたや、姫君のようなミコちゃんは朝は飲んでくれたが、昼は{今はいらないわ}というそぶりで出した口吻も即座にしまってしまった。



口吻をキュッとしまい、触覚も常にピンと立っていて、なんとも高貴な佇まいである。
ミコちゃんは見惚れてしまうほど、本当に美しい。
一方で、よっちゃんは口吻はでっぱなし、触覚はやや水平に傾いている…が、三カ月も一緒に過ごしているよっちゃんは、やはり違う美しさがあるというか、言い表せないような感情が湧き出てくる。
よっちゃんには朝、いつも{よっちゃん、今日もきれいだよ}と声をかけている。


さて、二頭を日光浴させていて、気づいたことがある。

よっちゃんは翅が小さくなっても、けっこう激しいはばたきをするが、ミコちゃんは花びらが舞うような飛び方をする。それは曇りでも晴れでも一緒だった。
ふわりふわりと、よっちゃんとは明らかに違う飛翔力。

ツマグロヒョウモンのことをもっと勉強しようと思い購入した本『琉球の蝶~ツマグロヒョウモンの北進と擬態の謎にせまる~』によれば、メスはオスよりもゆっくりと飛ぶらしい。「飛翔力の退化」とも書いてあった。
オスはメスを求めてかなり広範囲を飛ぶから飛翔力を求められるが、メスは待っていればオスが来るからということだろうか。逆に卵を産み付けるときなど、庭先などのスミレやパンジーのそばででホバリングしてる姿をよく見かけるかもしれない。

なるほど、だから一見優雅に待っているような飛び方をするのか。
ほんとうに穏やかでやわらかな飛び方なので、これならネットの中で翅が痛むことも少ないかもしれないと思った。

意外といえば意外だった。これまでうちではオスメス半々で羽化したが、メスの成虫は「じゃあね、さいなら~っ!」と言わんばかりにさっさと飛び立ってしまった。なので、メスの方が飛翔力が高いようなイメージを持っていた。
でも両者の羽ばたき加減をこの目で見る限り、オスのよっちゃんのほうが明らかに強い気がする。


ツマたちに春を感じてもらおうと、レモンイエローの鮮やかな菜の花や、地上の星々のようなハナニラの花、不思議な形のホトケノザなどを摘んできて、よっちゃんやミコちゃんのネットの中に入れてみた。

街を彩る花屋の花も素敵だけれど、スミレを筆頭に路上に咲いている小さな花々はなんともかわいらしく、趣があるので好きだ。そして花瓶に生けていても丈夫である。

その他にも青い小花がかわいいイヌフグリや、白い小さな花をたくさんつけるハコベなど、この時期、路上を注意深く見ればあちこちで春が萌え出ている。

スマホ片手に、自分の世界に閉じこもってうつむき歩くには、やはりこの世界はもったいない。





2018/03/03

ツマグロヒョウモン~保護したツマさんたち(よっちゃんとミコちゃん)39~ 再生

3月3日

今日も穏やかな晴れ。ベランダの太陽が大好きなビオラたちも気持ちよさそうだ。

よっちゃんは今日もすいすいとハチミツ水を吸い、吸い終わるとしばらくじっとしておしっこをし、さっぱりしたところでネットの上の方に登っていく。
ネットをさくさく上がれるうちはまだまだ元気だと思う。
そして今日も右翅が上下入れ替わってしまったが、自分でなんとか直せたようだ。しかしこのとき、居心地が悪いのを直そうと結構激しく羽ばたくので、体力を消耗してしまわないか心配だ。


昨日羽化したミコちゃんはみごとな翅をもったメスである。
よっちゃんよりもふたまわりほど大きい。ツマグロヒョウモンはメスの方が大体大きいようだ。

昨日はパンパンに膨れていたお腹も、真っ赤な蛹便を出してすっきりとしている。
急遽、大きなミコちゃんのために35センチ×55センチの筒状の特大洗濯ネットを加工しミコちゃん専用ネットを用意した。
前回作った特大ネットは、上部のワイヤーがやわらかすぎて、よく変形してしまい、側面に凹凸か出てきてしまってそこによっちゃんが翅をひっかけて痛めているように感じたので、今回は3㎜のワイヤーできっちり筒状にして仕上げてみた。それでも強く羽ばたけば、先の方から欠けてしまうのは否めない。

ケースのままミコちゃんをネットに入れると、翅をふわふわ動かしながら、ゆっくり中を偵察していた。室温は18度、やや暗めにしておくことで激しい活動は抑えられる。
お腹がすいているだろうと、よっちゃんの朝ごはんのタイミングで、ミコちゃんにも初ハチミツ水を与えてみた。最初は綿棒に驚いていたが、すんなり口吻を出して、吸ってくれていた。

その後ゆっくりと中を動き、よっちゃんと同じくネットの上の方に移動し、天井でさかさまになって今現在も休んでいる。




私の部屋は大小の蝶ネットがぶら下がり、夜は薄暗い(蝶のために明かりは最小限)奇妙な部屋となってしまった。
多少不便だが、それでも羽化してくれた喜びはとても大きい。

…昨年の12月、食草のスミレを全部排除されてしまい、たった一匹、冬の寒空のなか、コンクリートの壁面にぽつんといた、小さなミコちゃん。
その姿を思いだすと今でも胸が辛くなる。
それから3カ月経って、それはそれは立派で美しい蝶となった。
本当に感動と嬉しさで胸がいっぱいになる。
涙腺がゆるんでくる。
どんな蝶を見ても、よっちゃんやミコちゃん…うちのこたちが一番美しいと思ってしまうのは、猫同様の親ばかだ。


そして今日、そのスミレの道を歩いていて、あたらしいスミレの新芽を見つけた。
なんて強いこたちだろう。
もしかしたらこれからぐんぐん育ち、またかわいい花をさかせてくれるかもしれない。
そして夏の空を飛ぶツマグロヒョウモンの姿がまた見れるかもしれない。

どうか、そうであってほしい。


2018/03/02

ツマグロヒョウモン~保護したツマさんたち(よっちゃんと幼虫5号)38~ ミコちゃん誕生!

3月2日
3月に入りとたんに駆け足でやってきた春。
昨日は日中20度くらいまであがり、ビオラの面倒を見ているときに、首筋に夏の日のような熱を感じた。

よっちゃんは91日目となった。この世に生まれて三カ月。なんと長寿だろう。
よっちゃんが毎日、口吻をちゅるちゅると動かし、ふわっと翅を広げるたびに、幸福を感じる。
よっちゃんはどうだろう…。せめて暖かいところで、天敵に襲われる不安もなく、食事をたっぷりと食べてもらい、ゆっくりと蝶生?を歩んでほしい。


さて5号の蛹ももうすぐ1カ月になろうとしていた。
今日、様子をみると、なんだか、トゲの光が無くなっている。透明になっているようだ。
これは、羽化の前兆か?または悲しい結果になってしまうのか…。

不安の中でちょくちょく様子を見ていると、
午前10時45分ごろ、下の部分がパカッとあいてきた。

羽化だ!

初めて羽化の瞬間を見ることができた。
コンパクトにしまわれた身体がフルっと出てきて、縮れた翅がどんどんふくらんでいく。
パルピは最初、二つに割れていて、それが徐々にくっつくようだ。
翅が広がるまでおよそ10分。
トゲトゲは羽化の時、脚をひっかけ捉まるのにも最適な形状のようだ。

私と一緒に猫のわさびもそれを興味深げに見つめていた。


予想通りのメスだったので、名前はミコ(3月産まれで5番目のこ)と名付けた。
よっちゃんはそれを知らずに、翅を広げて、ネットの側面で休んでいる。
{よっちゃん、産まれたよ!}
心の中で何度も語りかけた。

春はもうやってきていた🌸🌸