Kyon {Silence Of Monochrome}

Kyon {Silence Of Monochrome}
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2015/08/20

あのころ、HR/HMが青春だった 1

HR/HM

ハードロックとへヴィメタルの略称である。

当時、私はまだ中学生だった。
(これらの音楽をダイレクトに聞いていた人達は、もっと年上世代だと思う)
毎月首を長くして待ちわびた、BURRN! をバイブルに、それら音楽をまさぐるようにして聞きまくっていた。
親の心配をよそ眼に・・・

今現在、HR/HMの話やBURRN! が愛読書だと話すと、たいてい失笑される。
なぜだ?

なぜか?

そこに、ある種の誤解と偏見があるからだ。


まず、「ヘビメタ」と、失笑する彼らは言うが、そこから間違っているのだ。

「ヘビメタ」ではない。

「へヴィメタル」なのだ。

そして彼らのイメージするところの「ヘビメタ」は、ギンぎら、お化粧、革パンぱっつりなのだ。
(他に「ドラック・酒・女」というイメージは多少あるともいえるが、これもメディアに植付けられたイメージだと思う。
一方で、「血や肉」と表現する人もいるが、これはまた、別のジャンル・・)

それも大いなる偏見であり、それにより、代表性ヒューリスティックとバイアスのせいで、「耳に詰め物」をしてしまった状態であるから、まずそれ以上聞こうとしないし、知ろうともしない、固着した思考に陥ってしまう。
音楽なのだから、ぜひ、聞いてほしいのだけれど・・それも叶いそうにないとは、なんともさみしいことだ。


ハードロック・へヴィメタル、そこには、ただ熱いだけではなく、70年代の息吹も感じる、儚い美しさと共に、奥深い世界が広がっていることを、彼らは知らない・・・

(ちなみに私が好んだものは、下記でも分かるように、北欧系や様式美系と言われたものが多い。デスメタルやスラッシュメタル、玄人オジサン系・・はあまり好まなかった、というか興味がわかなかった・・)


当時、私が13歳くらいだとすると、当時のアーティストたちは24、5歳、あるいは30歳前後か。
彼らはその青春時代、あのウッドストックフェスティバルを筆頭に、
ツェッペリン、ヘンドリックス、ジャニス・ジョップリン、CCR、クリーム、ジェファーソン・エアプレイン、そしてドアーズなど、至極のアーティスト勢が名を連ねる音楽シーンを、直に魂に焼き付けた青春時代を送ってきた人たちだろう。

当時私は、HR/HMのバンドマンがこぞって長髪で、スリムな体にベルボトムないし革パンであるということが、単にヴィジュアル的にかっこいいからそうしているのだろう・・と思っていたが、
後になって、70年代も通ってみると、彼らは例えば、あのツェッペリンのセクシーなロバート・プラントを真似ていたんだな、と思ったりもした。

私の聞いていたHR/HMのアルバムには、そうした音楽的ルーツを感じさせるテイストも感じたし、TESLAの「アコースティック5ジャム」に入っていた「We Can Work It Out」が、ビートルズを聞いてみようと思うきっかけでもあった。


私の青春時代ともいえる「HR/HM」の記憶。
長らく自分の中で封印してきたものが、堰を切ったようにぶわっと出てきた理由・・

それは最近見たトム・クルーズ出演の【ロック オブ エイジス】を見てしまったからだった・・

ミュージカル仕様ということもあり、最初から最後まで、懐かしの80年代ハードロックで埋め尽くされる楽しい時間を、ひとり、刻々と過ごすうち、

{・・やっぱり、いいじゃん!いいものは、いいよね}という気持ちに、落ち着いた。


あの頃、特に好きだったのは、ドッケン。(特にボーカルのドン・ドッケンがお気に入り)
ホラー映画好きの私にとっては、「エルム街の悪夢3」の主題歌「ドリーム ウォーリアーズ」はもちろん、「アローン アゲイン」は今でも泣く。アルバムはすべて好き、でライブにも行った。
(当時、止む無く母親にチケットを取ってもらうことになった時、変な名前ね・・と言われた覚えがある。)

テスラは初めてライブに行ったバンド。NHKホールだった。当時、深夜の「ピュアロック」でひっきりなしにかかっていたPV「No Way Out」でやられてしまった。「Love Song」は本当に良い曲。

ウィンガーは、ボーカルのキップのダンスが派手で、ベース弾いているのかな?と疑問視しながらも、ぐっとくる曲が多くてお気に入りだった。ギターのレブ・ビーチが好きだった(子供なのにイケメンに目がなかった・・)これもPV「セブンティーン」にやられてしまった。

モトリークルーはいささか、恰好とパフォーマンスが奇抜すぎて、中学生の私としてはアレだった(怖かった)のだけども、「Home sweet home」は今でも名曲中の名曲と思っている。
それはシンデレラの「Don't know what you got」や、ポイズンの「Every rose has its thorn」も同様で、今でもバラードの王道として、自分の心の中に君臨している。

スキッド・ロウやイナフズナフ、ウォレントといった、若くてきれい?なお兄さん達が多いバンドも好きだった。(もちろん楽曲も)

他にTNTといった北欧系の良いバンドもあり、「Intuition」「Tonight I'm Falling」などで私も「落ちた」のだった。ハイトーンボイスが本当に素晴らしかった。

ハイトーンボイスと言えば、スティールハートというバンドも忘れられない。「She's Gone」は言葉もないほど、素晴らしいの一言。今でも胸にぐっとくる。このバンドはライブにも行けた。


そしてデフ・レパード。
アルバム「Hysteria」を聞いた時の衝撃が、今でも忘れられない。
「Woman」は、まだ子供だった私にとっては、だいぶセクシーな歌だったように思う。だけどしょっぱなこの曲で、やられてしまった。「Suger on me」は今でも心躍る。そして「Armageddon It」のアルマゲドンの意味を知るのは、もっと先のことであった・・

当時、ドラムのリック・アレンの、片腕を失うという不幸にあいながらも懸命にドラムを打つ姿や、あどけなさが残る可愛らしい笑顔に、ハートを射抜かれたのだった。
そして、ギターのスティーブ・クラークの死・・・・
当時、布団の中で、ひそかに泣いたのを思い出す。

デフ・レパードは本当に良い曲が多いだけれど、「Love Bites」「Bringin' on the heartbreak」は特に好きな曲だ。

そして、2015年11月の来日を知り、さらに興奮した。
念願のライブが見れる!
速効でチケットを取ったのだった。
(私がライブに行っていた80年代当時とはだいぶ料金がかわったな、と思いながら・・)


80年代のあのブームから、生き残っているバンドは正直多くないと思う。
そして、あの「美しさ」をキープしながら、重鎮として残るのは本当に努力のいることだ。

最近のライブ映像を見ると、デフ・レパードの皆さまは、今でも素敵な姿で(スリムであるということは大事ですね!)、
もちろん音楽のクオリティも下げることなく、むしろ、歳を重ねたことによる安定感が、さらに楽曲に重厚感を与えているように思えた。
私のお気に入りのリックとサブも、素敵に歳を重ねている・・。バンドでベースを弾いてきた者としては、かっこいいサブのパフォーマンスも物凄く、楽しみであります。

そして、11月に生の姿が見れると思うと、今から興奮し、当時私の心を鷲掴みにしたあのアルバムたちを、もう一度聴き込んでいかなければと、いまから鼻息が荒くなるのだった。

(長くなりそうなので、このお話は、また今度に・・)