Kyon {Silence Of Monochrome}

Kyon {Silence Of Monochrome}
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2011/04/02

明日の風は

メディアは日常を取り戻しつつあり、お花見の季節と言うこともあり、
被災していない人達は普通の暮らしを取り戻す事が、支援の一つだと言われている。
私もそれはそうだと思う。地震に関しては。
ただ原発の問題はどうだろう。
それに関しては、国中の誰もが「被災者」ではないだろうかと思う。
そして、地球規模の汚染が広がってしまうのではないかと心配でたまらない。

今日、被曝労働によって大切な息子さんを亡くされたお母様のインタビューを見た。
毎日繰り返される「会見」よりもはるかに解り易く、
お母様は本当に苦労され勉強されたのだということが痛い程伝わってきた。

私はこんなに悲しい犠牲のもと、電気を湯水のように使い続けてきたのかと思うと、もうどうしてよいか解らなくなってくる。多分、このインタビューを見た大部分の方は、今までの無知と無関心への罪悪感に苛まれ、同じような落ちて行く感覚を受けただろうと思う。

これで普通の生活をとりもどそう、などと笑顔で化粧しようとする方が難しい。
少なくとも私にとっては。
いままで知らなかったが、改めて知ってしまった事がこの3週間、溢れる程に狭い脳みそに詰まっている。

ただちに影響は無いだろうが、事態は長期化が懸念され、
私達がこれから生きて行く道の風景に必ずつきまとう「深い闇」が産まれてしまった。
いや、産まれたというよりは、ずっと昔からあったものを、私達が気付いていなかっただけかもしれない。

日常は取り戻しつつあるし、そのように何かによって誘導されている気もする。
私にもやるべき日常がある。しかし、心の中はもう日常には戻れない。
あまりにも大きすぎる問題が突きつけられている。
3月11日、その時から、私の心象はがらりと変わってしまった。
今は繁華街のネオンを見るのも正直辛い。
暗闇の中で光る街灯には助けられているが、その灯りも悲しい命の灯に見えてくる。

インタビューに答えてくれたお母様は賢く、そして勇敢だった。
何より子を思う母親の強さが身にしみ、
20年たっても癒えぬ心の傷がどれほど深いものか想像を絶する。
最後に「子供たちの真っ白な命を薄汚れた色で染めたくない」とおっしゃっていた。
未来を見据えた重い言葉に聞こえた。

今こそ本当の事を私達は知るべきではないだろうか。
それを知る手だては残念ながらメジャーの域にはまだないが、
やがてそれが開示されていく事を切に思う。