Kyon {Silence Of Monochrome}

Kyon {Silence Of Monochrome}
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2010/12/06

アズキ闘病記2

昨夜は激しいテンカン発作も無く、丸まっていた身体が少し伸びていた。
私はこの様子を、衰弱してしまったと慌てていたが、
連れ合いはむしろ落ち着いてきたのではないか、と言ってくれた。
確かに、呼吸も安定し、短距離を走っているかのような昨夜の心臓の鼓動よりかは、
随分と穏やかな鼓動になった。
目をつむっている顔が子供の様で、大人びている様でなんとも可愛らしい。
私達は普段、まだアズキが家をかけずりまわっていた頃、アズキの寝姿を見る事はなかった。
私達が近づくと、どんなに熟睡していても、眠そうな目を一生懸命開けながら、
大きな声で鳴き、遊んでとせがむのだった。

まさか、こんな形で、アズキの寝姿を見る事になるとは・・・・・・・

今朝、アズキはまた体勢をかえていた。
腕枕をして少々丸くなっている。
多少なりとも、動く事ができるのだろうか。奇跡よ起こってくれ、と連れ合いと二人で思う。

朝は起きると、一目散にケージに行く。
アズキが呼吸をしているか、冷たくは無いか、あらゆる不安が、
アズキの温かな体温で払拭される。
不安と供に起き、アズキに触れてやっと安堵する。
そんな日々がこの先、どのくらい、続くのだろう。
続いて欲しい。何時までも。
ただ、正直、私は耐えられるだろうか。
この不安と、寂しさと、恐れと、後悔と、虚脱感と、
とにかくありとあらゆる負の感情がとぐろをまいて襲いかかる毎日に。
救いは、アズキの体温と、呼吸、鼓動。
そして、いつまでも変わらない愛らしい顔それだけだ。

時々、アズキはふぅ、とため息をつく。
目から体液のような透明な液体が漏れてきた。
ティッシュで拭っても、あふれてくる。
私はそれが、何だかアズキの涙の様に見えて、
とても切なくなってきた。
まだ、私達のそばに居たいと、言ってくれているようだった。

アズキ、ごめんよ、こんなことしかしてあげられなくて・・・

何も出来ない自分に、大きくて深い憤りを突き刺すように感じ、
いつものように、涙がとめどなく、あふれ出てきた。

アズキ9月撮影