Kyon {Silence Of Monochrome}

Kyon {Silence Of Monochrome}
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2010/08/27

共に生きる


ワサビはボランティアさんから譲り受けた猫です。
家に来てもう3年目になりました。
別に換算しなくていいのだけれど、
人間にしてみれば、24才くらいです。
猫は2年目から人間にして4才づつ歳を取っていくそうです。
そうすると、あと3年もしたら、私達を抜いてしまうのか・・と
寂しいような気分にもなり、
このような事はできれば考えない方が良いのでしょう。

可哀そうな野良猫が、病気を患って、すみません、ちょっと休ませて下さい・・
という感じで共に住むことになった子とは違い、
ワサビはお母さんと離れて、遠い遠い道のりををやってきました。
家に着いた時は、それ以前も、ずっと無口で、
この子は鳴けない子なのでは?と思った程でした。
抱くと目をまん丸くして小さく震えて止まらないので、
なにかいけない、悪い事をしているように思い、
申し訳ない気分になったりもしました。

それでも猫の適応力は素晴らしいものです。
運命の享受とでもいいましょうか、
私たちとも2日経たないうちに段々と打ち解けてきて、
可愛い声も聞かせてくれるようになりました。
「外に出たい!!」という我儘も言わず、悪戯もせず、
トイレも初日から失敗なく行えて、本当に良い子が来たと二人で喜びました。
あまりに臆病すぎて、人に懐かないのがたまに傷ですが、
健康でおとなしく、マイペースに過ごす姿に日々安らぎを貰っています。

時々、外にいる野良猫たちが野原を駆け回っている姿を見ると、
それを窓から眺めているワサビに向かって、
「ここにきてよかったのかな?」と問いかけます。
その問いかけに関して、もちろん言葉での返事はありませんが、
小さく鳴いてみたり、尻尾をフラリと振ってみたり、
彼女なりに「まあ、いいんじゃないの?ご飯もまずくないし」
という返答をしているみたいです。

 寿命は消して長くないかもしれないが、
自然の中を自由奔放に歩く野良猫たちを見ると、
本当の幸せはいったい何なのか?
そのような問いかけに自ら迷路に入り込んでしまいます。

自然に生きるとはどういうことなのか?

ワサビ、この子は幸せなのか?

小さな身体をさする度に、そんな思いが私を包みます。

そして、{出来る限りのことはしますから、共に生きて行かせてくださいね}
ワサビに心の中でずっと話しかけていました。