Kyon {Silence Of Monochrome}

Kyon {Silence Of Monochrome}
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2010/05/02

蝋燭の花

半年以上も前に種をまき、一度は枯れてしまってとても心配しました。
冬の凍えるような寒さの中、じっと耐えて、春の暖かさを待ち焦がれていたでしょう。

ストロベリーキャンドルという可愛らしい名前の付いた花です。
その名のごとく、見事な蝋燭の華奢な炎のような、
真っ赤な花を咲かせました。

種から育てたので、その花を見た時は胸にぐっとくるものがありました。
良く頑張ったね、という思いです。

小さく純粋な命はいつも大切な事を教えてくれます。
この子が教えてくれたのは、「待つ事」でした。

育てたといっても、
毎日ただ水をやり(時々やり忘れて、しゅんとして元気のない事も多々ありました)、
ほんの一瞬様子を見ていただけです。
特別な事はなにもしていなくて、正直言えば、
あとはオヒサマにまかせっきりで、ほったらかしでした。
 それでも、一人で頑張って、花を咲かせてくれた。

そこで思ったのです。

自分に対しても、人に対しても、
過剰に対応することなく、考えすぎることなく、
適度に距離をおいて、時にはひたすら待つ。
時間の流れに身を任せて、待つことが一番最良な時もあるのではないかと。

このストロベリーキャンドルも、
ほとんどほったらかされていても、
最低限の水分と、太陽の光があれば、こんなに美しい花が咲くのです。

物も、情報も、生き方も、思考も、全てが飽和して過剰な今、
あえて最低限の中に身をおいて、歩んでいくという選択も大切かもしれません。