Kyon {Silence Of Monochrome}

Kyon {Silence Of Monochrome}
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2010/02/20

雨が好きになった日


忘れもしない、雨の思い出です。
2006年FUJI ROCK。初参加でした。
意気揚々と前日から新潟に入って、
まだ何も知らない私はあろうことか薄着で装備も少なく・・・

2006年は、フジ史上最も雨の多い年で、
朝から晩まで、3日間、空はずっと泣きどおしでした。
何日目かは忘れてしまいましたが、
たしか夜も本番になってきた頃、
約1万人収容するホワイトステージで1人でライブを見ようと、
(フジロックでは巨大な野外ステージが5つ程用意されています)
雨が容赦なく降りしきる中、椅子に座って小さくなって耐えていると、、
とうとう稲妻が恐ろしい轟音と共に激しく光り、
ああ、私はここで感電死するのではないだろうか、と
本気で怖かったのを覚えています。

簡易的な雨具は全く役立たず、凍えながら
雨の中でカレーを食べていると(屋根が無いので)
カレーが段々味噌汁のように薄まって行く・・
こんなにも雨に打たれることが一生のうちにあるだろうか、
という程に、雨に打たれ続けていました。

それでも、どうしても見たかったバンド、NewOrderのライブが始まると、
それまでぐったりしていた周りの人たちも喚起し始め、
私もステージの近くでどろまみれで雨に打たれ、雨に歌いながら、
恍惚の中に、降りしきる雨までも、
感動の立役者になっているように感じていました。
この時から「雨」は気持ちの良いものとすりこまれてしまったように、
思います。

都会ではまずありえないであろう状況の連続に、
まだ初心者であった私はとても驚き、
最初はなんて過酷な野外フェスなんだろうと思いましたが、
2006年土砂降りの3日間を経験して、
何となく精神的なタフネスを得たように思います。
それは、そこに人間が今までないがしろにしてきた雄大な大自然と、
その絶大な力と、無くてはならない大好きな音楽が、
絶え間なくその空間と時間に、
惜しげなく 、そそがれ続けているからだろうと思います。

それからは装備も毎年着実にグレードアップしていき、
雨でも快適に、感動を味わえるようになりました。
学んだことは数多く、まずは自分の身は自分で守る大切さを、
身をもって知ったのでした。

 
しかし、やっぱり晴天のステージは心が躍ります。
今年もあと、5か月あまり・・
早いものです。