Kyon {Silence Of Monochrome}

Kyon {Silence Of Monochrome}
上記をクリックするとKyonイラストのホームページとなります。ぜひご覧ください。

2009/12/14

恍惚~Instinct~

「恍惚」
ペン画を始めた初期に描いた絵です。
当時は、60・70年代に興味があり、
その思想や文化、音楽にかなり傾倒していた時期でした。
この絵のように、アンニュイな女性の表情は特に好みでした。
頭の中では、様々な事が乱舞しているような、錯乱しているような、
しかし独特の楽しげな色彩が、広がっていたのです。

白と黒のニ色で描くのですが、
個人的には原色が好きで、特に赤は大好きです。
部屋の中も、ほぼ赤い色で統一されており、
人によってはやや疲れるかもしれません。
モノクロで描いていても、
頭の中は極彩色が広がっている、ともいえるのでしょうか。
以前絵を見てくれた知人から、こんな言葉を頂いたことがあります。

「Kyonさんの絵は、白黒なんだけど、
家に帰って思い返してみると、あれ?カラーじゃなかったっけ、と思うんだ」

非常に印象的な感想で、とても嬉しかったのを覚えています。
まるで頭の中を見透かされたような・・・・・
しかし、現実に描くのであれば、やはり白と黒のニ色がしっくりきます。

「恍惚」は、私の憧れでもありました。
深い快楽の瞬間に落ちて行く様を描きたかったとも記憶しています。
当時は、迷路のような人生の道にたたずんでいる状態で、
心の中は「恍惚」とは全く逆の心模様だったと思います。
「悶々」という感じでしょうか。

絵は時にその紙面上のみで、夢を叶えてくれることがあります。
それはいつか現実のものとなりうるという希望を抱いて、
儚い夢のように、未来の自分へ託されて行きます。