Kyon {Silence Of Monochrome}

Kyon {Silence Of Monochrome}
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2009/12/09

金色の道




















とても気持ちの良い日です。
久々に自転車で遠出をしました。
しばらく自転車をこいで着いたのは、
「蘆花恒春園」。
明治 ・大正期の文豪、蘆花恒春が後半生を過ごした住まいのある、
広い公園です。

銀杏の木が沢山あって、その葉が散り積って、
地面が金色に輝いていました。
近くには紅葉の木もあちこちにあり、
美しく紅色に染まった葉がとても印象的でした。
「秋」というのは、今まで、はらはらと木の葉が散り、
木枯らしが吹く、寂しげなイメージでしたが、
こんなにも色鮮やかで、情熱的な季節だったのかと、
初めて気付いたように思います。
そして、金色と紅色と青空と、素晴らしい色彩のコントラストの中で 、
自然の有難さ、偉大さにため息がでました。
大げさかもしれませんが、本当にそう思いました。
ワーカーホリックだった時分は、
毎日冷たいコンクリートの中で缶詰状態でしたので、
晴れているのか、雨なのか、
寒いのか、暑いのか、朝なのか夜なのか・・・
ましてや春夏秋冬の移り行く様など、
殆ど気にしていられませんでした。
改めて、「春夏秋冬」が過ぎゆく日本の美しい姿を、
良く見、感じてみようと思いました。

私は花に加えて、鳥や蝶なども大好きなのですが、
その自然が生み出す配色や色彩の妙は、
到底真似のできるものではないと思っています。
花を見ても、自然の風景を眺めても、
私には、この絶妙な色彩を描く術も無ければ、
畏怖の念すら感じてしまいます。
だから私は色を操れずに、モノクロームの世界でしか
生きてゆけないのかもしれません。

しかし、白と黒の限られた世界で、
この美しい「色彩」を少しでも表現できたら、
どんなに素晴らしいでしょう。
それが私が目指している目標であり、夢でもあります。


恥ずかしながら、蘆花恒春の有名な作品「不如帰」等、
読んだことが無いのですが、
その「人と接するのが苦手だった」という性分や、
自然を愛し自然と共に生きた姿に、何となく共感を覚えたので、
1度手に取り読んでみようと思います。

遠くへ行かなくても、
美しい場所はすぐ身近にあるものです。
特別なことをしなくても、感動は、
ずっと身近にあるものだと思いました。