私には愛猫ワサビの他に、親しんでいる猫が3匹います。
職場にいるブチ猫のカブ、いつも食事をもらいに来る野良のミケ、
職場の御近所の飼い猫、チーちゃん。
このチーちゃんは10年くらい前から、職場に遊びに来ていて、
カブが飼われてからは、控えめに遊びに来ていました。
貫録のあるオス猫で、頭の良い子でした。
よく御主人と寄り添ってお散歩しているのをみかけました。
そのチーちゃんが最近亡くなったとの訃報を聞きました。
どうりで最近姿がみえなかったのです。
朝昼晩、時には夜中、必ず姿を見せてました。
最近は足を骨折し、その足を一生懸命運ぶ姿がけなげでした。
今まで当たり前だった風景が突然もう見れなくなってしまったのです。
まだその事実に実感がわかないのですが、
例えば夜中、電信柱の近くにいつもたたずんでいたチーちゃん、
昼間、おやつを食べに来て、静かに鳴いてねだるチーちゃん、
食事をした後に、必ず用意したお水を美味しそうにのんでいたチーちゃん、
・・・様々なシーンに彼がいない事で、
段々と小さな命が燃え尽きた事を実感し、
それが心の中で深い悲しみに変わっていくのがわかります。
時が経つごとにそれは激しくなり、
やがて静かに忘却の彼方に去っていくのでしょう。
それでもこの何とも言えない切なさや悲しみは半永久に残るのでしょう。
あたりまえのことですが、
永遠のものは無い、ということをチーちゃんが改めて教えてくれました。
親しむものが多ければ多いほど、失った時の悲しみも多いし大きいのですが、
それでも、今傍にあるもの、傍にいる人、今存在している自分自身を、
今この「瞬間」に大切にすることが、
失った時の悲しみを少しでも和らげてくれるのではないか、と思います。
できればチーちゃんと、もっと「お話し」しておけばよかった。
天国で、たくさん遊んで、たくさん走り回って、たくさん御馳走をもらってください。